大判例

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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和26年(う)43号 判決

団体等規正令は、昭和二十年勅令第五百四十二号に基き、降伏条項の実施を目的として制定された政令であり、立法の手続に違法なく其の内容に於て、日本国憲法の趣旨に反するものでない。また、公務員が其の抽象的職務権限の範囲に属する事項につき、職務の執行行為であると信じ、或一定の行為を行つた場合、たとえ、職務執行行為の原因たる具体的事実を誤認し、又は当該事実に対する法規の解釈適用を誤つたとしても、其の行為はなお公務員の職務執行行為として、刑法による保護の対象たり得べく、その執行に当り為された妨害行為は、公務執行妨害の罪を構成すること勿論であるが、原判決挙示の証拠によれば、本件執行行為は、原判示各公務員が、自己の抽象的職務権限範囲内の事項につき、適法な職務行為であるとの確信の下に、原判示の如き執行行為を為したものであることが明かであつて、従つて前記執行行為が為された際に於ける被告人等の本件妨害行為は、該執行行為の適法、不適法乃至は合憲、違憲の点につき、その如何を判断するまでもなく、たゞちに公務執行妨害の罪を構成するものであるから、たとえ、原審が叙上執行行為の合法性、合憲性を判定しなかつたとしても、原判決の理由に不備がない。また原判決挙示の証拠によれば、被告人李又植等十数名は、集団の力を利用して勢威を張り、原判示の場所にスクラムを組み、「一歩も退くでない」「入るなら入つて見ろ」等と呼号して高辻課長及び山下課員に反抗し、同人等に於て強て建物内に入るときは、同人等の身体に如何なる危害を加えるかも知れないような気勢を示して脅迫し、且山下課員が屋内に入ろうとするのをスクラムによつて押戻してその身体に暴力を加え、もつて右両名の職務執行を妨害した事実を肯認するに十分であるから原判決は事実を誤認したものでもない。そうして見れば論旨はすべて其の理由がない。

(註 本件は量刑不当により破棄自判)

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